2回以上の流産・死産を経験した場合は、通常「不育症」と呼ばれ、病院で検査を受けることができます。
私も第2子の妊活中に、30代で3回連続の流産を経験。
3回目の流産から、不育症治療で有名な日本医科大学附属病院に通っています。
今回は、そんな日本医科大学附属病院での不育症治療の実際の様子を忖度なくレビューしたいと思います。
(※治療中のため、随時記事は更新していきます。)
不育症かもしれないと悩んでいる方や、治療を検討されている方はぜひご確認ください。
・日本医科大学病院でできる不育症治療の内容
・流産絨毛染色体検査は受けるべき?(私見)
・流産手術の実態や注意点
日本医科大学附属病院で受けられる不育症検査や治療
日本医科大学附属病院は、数少ない不育症研究機関も兼ねている病院の一つです。
東京都内でも、国立の研究センターを除けば、5つの病院しか研究機関には指定されていません。
(引用:成育疾患克服等総合研究事業)
そんな日本医科大学附属病院で受けられる不育症に関する検査や治療がこちらです。
青字は保険適用外の検査になります。
さすが日本有数の研究機関なだけあって、かなりの検査項目がありますね。
検査後は患者さんごとのケースに合わせて治療を行うため、一言では伝えられないそうですが、ホームページには代表的な4つの治療が紹介されていました。
抗リン脂質抗体という自己抗体が原因となって、動脈や静脈の血が固まる血栓症や習慣性流産などの妊娠合併症を発症する状態に対して行う治療。
妊娠中に低容量のアスピリンを服用して、血をサラサラに保ちます。
②ヘパリン療法
抗リン脂質抗体症候群や血液凝固異常症などの、血液が固まりやすくなるなることにより流産や死産を起こしていると判断された方に対して行う治療。
低容量アスピリン療法と併用で行われることが多く、妊娠初期段階から自己注射を行います。
③子宮形態異常に対する内視鏡的治療
流産の原因になる子宮形態異常があると判断された方に対して行う治療。
内視鏡手術を中心に行なっています。
④免疫グロブリン療法
胎児に対する免疫学的拒絶によって流産を繰り返している可能性がある方に対して行う治療。
妊娠早期にγグロブリン静注を5日間投与します。(自費診療)
不育症の治療を行なっている病院やクリニックでも、低容量アスピリン・ヘパリン療法はできても、子宮形態以上に対する手術や免疫グロブリン療法は受けられない病院も多くあります。
その点、日本医科大学附属病院では網羅的に治療を受けられる可能性がありそうです。
日本医科大学附属病院で不育症の検査や治療を受けるには?
不育症を疑っている方や検査・治療を受けたい方は、近くの病院やクリニックに一度かかって紹介状をもらってから受診をするようにしてください。
他の課ですが、実際に紹介状がない患者さんが受付でお断りされている様子を見ました・・・
不育症の検査にはいくらかかる?
日本医科大学附属病院で不育症の検査を受けた場合、だいたい5万円〜10万円ほどかかります。
もし流産後の摘出手術を受けた場合、プラスして約2〜5万円、入院手術代で約4万円がかかります。
トータルで見ると、保険が効くもので5万円(摘出手術を受けた場合プラス約4万円)、保険適用外の検査で5万円くらいがかかるそうです。
なお、東京都在住の方で不育症と診断された方は、上限5万円の助成金をもらうことができます。
(引用:東京都福祉局)
不育症の助成金の有無や内容については、都道府県や市区町村によって変わりますので、詳しくは住居地の情報をお調べください。
受診するメリット
実際に日本医科大学付属病院の不育症外来を受診して、良いと感じたのはこんな点でした。
・院内設備がきれい
実際に私の友人も、別の病院で診断だけ受けたものの治療はできず、大学病院を紹介されてからの受診だったので治療が遅れたというケースがありました。
また、改装もされているのか、トイレや診察室、入院部屋などの設備がきれいだったのも良いところです。
特に婦人科系の治療を受けるとなると清潔さを気にされる方も多いと思います。
受診の注意点やデメリット
メリットもある中で、注意してほしい点やデメリットに感じる部分もありました。
・医師が多いので相性が悪い人に当たる場合もある
日本医科大学附属病院では、初診時の受付だけで2時間半かかりました・・・
いつもの診察でも、予約していてもだいたい1〜2時間は待たされることを覚悟していったほうが良いです。
また、クリニックとは違い医師も多く在籍しているので、相性が悪い医師が担当になってしまうケースもあります。
流産絨毛染色体検査は受けるべき?
不育症検査の一つ、流産絨毛染色体検査(POC:product of conception)。
残念ながらお腹の中で亡くなってしまった赤ちゃんを取り出し、培養して、その染色体の数と形態を詳細に調べる検査です。
私も最近この検査を受けて結果を聞いてきたのですが、結論として、「受けなくても良かったのでは・・・?」と疑問に感じたので、その理由を具体的に説明します。
なお、日本医科大学附属病院では、診断の内容と正確さが異なる2つの検査が用意されています。
その2つの検査の金額も、一つは約2万円、もう一つは約5万円とかなり違っています。
私が受けた流産絨毛染色体検査
私が受けた流産絨毛染色体検査は、約5万円のほうの検査です。
医師からこちらの検査を勧められた理由は、次の通りでした。
✔️ 精度が高いので、今回の流産の原因がほぼ正確に特定できる
受けなくても良かったと感じた理由
私が流産絨毛染色体検査を安いものでも高いものでも受けなくて良かったと感じた理由はこちらです。
なお、これはあくまでも私の場合の理由と私見なので、実際に検査を迷っている方は担当医師とよく相談してから決めてくださいね。
医師からは、流産絨毛染色体検査を受ければ今後の治療の方向性がわかると説明を受けていたため、この結果次第で次に受けなければいけない検査がはっきりすると思っていました。
また、摘出手術を受けると決めた際に病院からもらった書類にも、流産絨毛染色体検査の結果は、3つのパターンに分類されると記載がありました。
ただ、実際に結果を聞いた後で医師が伝えたのは、あくまでも今回の流産の原因がわかるだけという事実。
つまり、私のように3回流産している人の場合、1回目と2回目の流産は全く別の原因だったとしても、それがわかるわけではないということでした。
結果として、結局今後不育症の基本的な検査を一通り受けなければ、根本的な原因はわからないままということでした・・・
そのため、それ以降に受ける基本的な検査は、全て自己負担となります。
ますます、検査を受けた意味を考えてしまいました。
流産絨毛染色体検査を受けるには、基本的に摘出のための手術を受ける必要があります。
日本医科大附属病院では、原則として日帰り入院とはなるもの、朝早くから15〜16時頃までかかります。
入院までに受けなければならない検査などもあり、通う負担も出てきます。
さらには、入院手術代として約4万円がかかりました。
今思えば、待っていても自然排出されそうな状態だったので、検査を受けなければなるべく安静にしていたほうが良かったのでは・・・と思いました。
漢方の詳しい内容については、こちらの記事をご確認ください。
▶︎稽留流産の自然排出をうながす漢方の衝撃
流産絨毛染色体検査の流れ
日本医科大学附属病院の流産絨毛染色体検査は、こちらの4つのステップで進んでいきます。
患者さんごとに違うと思いますが、私は血液検査、なぜかは不明ですが胸部レントゲン、心電図検査を受けました。
血液検査は「5本分取ります」と言われ、かなりの血液をとられました。
コロナが陰性の場合、前日までに入院する部屋の確定の電話が病院からかかってきます。
私は9時頃に来院し入院手続きを済ませた後、病棟に案内されました。
当日の持ち物は、ナプキン、前開きの服、T字帯と少し多め。
前開きの服とT字帯は、病院の購買でも買うことができると説明を受けました。
手術の流れは、初めに診察を受け、子宮口を開けるための処置をし、点滴。
2時間ほど部屋で待ってから手術となります。
基本的には静脈麻酔となるので、手術中の記憶はなく、何もなければ30分ほどで終了します。
術後はまた2時間ほど部屋で休んで診察を受けてから帰宅になりますよ。
だいたい2週間ほど経過していると、そこで培養途中の胎児の1次チェックの結果を渡されます。
私の場合は、英語混じりのザックリとした診断だけだったので、あまり内容までは読み解けませんでした・・・
ここで、次回以降の検査や治療の方向性を決める方が多いようです。
まとめ
今回は、日本医科大学附属病院で実際に受けている、不育症治療の検査などについて詳しくご紹介しました。
今後も検査や治療を続けていく予定ですので、新しい情報があったらまた更新していきたいと思います。
不育症関連の情報はとても情報は少なく、わかりづらいものも多いですが、少しでも参考になれば嬉しいです。